
はあ、、男心がわからない!そもそも素敵な男性との出会いがない!
休みの日に街を歩けば腕組みしたり手をつないだ仲のいいカップル、既婚者ばかり目についてしまう。
通り過ぎた年下のあの子は、別に特別美人でも可愛いわけでもない。くすり指にはキラリと光る指輪。あ〜やさしそうな結婚相手じゃない!!
わたしには何が足りないのだろう?
ため息をついて、仕事に追われる時期がありました。
毎日の仕事の忙しさで忘れていたのですが、以外にも自分の経験にヒントがあったのを思い出しました(笑)
学生時代、老舗旅館で和服コンパニオンとして働いていた時の話。
「服装としぐさ」でこんなにも変わる男心
学校の授業が終わって日が暮れた頃、急いで自転車に乗って山道を通り、田舎によくあるような木造の一軒家に入って2階にあがると、年きのはいった160センチくらいの細長い鏡を見ながら着物を着る女性や、着替え終わって女将さんに最終チェックしてもらいながらお話する若い女性たち、あわただしく細い廊下を行き来して、わたしもその中に入って急いで着替えた。
まだ働きはじめて1年目。今日はどんなお客さんの部屋だろうと不安でいっぱいだった。女将さんがわたしに「メイクちょっと落としなさい、鼻がテカってるわよ」とアドバイスをくれた。
鼻が低いのを気にして白いラメ入りのパウダーを塗りすぎていたのだ。
落としたくないなあ。鼻が低く見えちゃう。と思いながらしぶしぶ手でさっと拭くと
「まだ取れてないわよ、鼻ふいて!」と何度か注意され、半分諦めたらしく、最後は
「もう時間よ。みんな車に乗って!」
と言われてしまった。
着替えとメイクの準備がおわったわたしたち5人はワゴンに乗った。
山道をまた登ったり薄暗いくらいクネクネした道を通って車の運転手のおじさんの後ろ姿や景色をみる。心の中はまだそわそわしてる。流れる窓の景色をみていると、どこか違う世界に連れていかれるような気がしてた。
いつの間にか、髪をセットする美容院に到着。3席くらいしかない床屋さんみたいな美容室にはいって、手際よく髪を結ってもらいながら、少しづつ大学生の雰囲気から離れて違う大人の女性になった気がした。
30分もせずに芸者さんみたいに変身した。
いよいよだ。
ふたたびワゴン車にのって旅館へつくと、砂利を足でザッザッと鳴らしながら古い茶色い門をくぐった。
腰を落として、着物のあるき方に変えた。
わたしの中で何となくスイッチが入った。
門をくぐると柔らかい間接照明に照らされたフロントがあって、軽く挨拶しながら立派な迷路みたいな旅館の廊下を歩き、丁寧に剪定された庭木の間から個室部屋がちらちらみえる。
廊下のわきを通る小さな川のさらさらした音を聞きながら気持ち良い澄んだ風が吹いて、一瞬癒やされた。
旅館のスタッフと先輩姉さんが話して「今日はこの部屋に行ってちょうだい」と大部屋を案内された。わたしを入れて3人。
姉さんを先頭にふすまの扉を開け、お辞儀をして、1人づつ入る。お辞儀をしながら顔を上げるのが怖くて首が重く感じた。この場にいるお客さまに私の不安や恐怖をさとられないよう、ぐっとチカラを入れて、自信のあるような表情をせいいっぱいして顔を上げた。
ざっと広間を見渡すと、長い座敷テーブルに男性で25人ほどが座って料理を食べている。
わたしたち3人は間隔を開けて新しいビール瓶を持ってビールを注ぎながらまわった。後ろから「失礼します。はじめまして」と声をかけまわった。
彼らは20代〜40代の体つきの良い男性たちで、話をすると大工だった。いつものサラリーマンのお客さまと比べて、何となく親近感があると感じたのは社交辞令の会話が少なかったからかもしれない。
旅館の仕事は他の仕事と比べて会話に困ることはほとんどない。お酒をつぐタイミングが多くて、座ってると男性たちが集まって話しかけてくる。
赤坂のスナックで覚えたママのしぐさをイメージしながら、ソデをもって接客をした。
着物がくずれるとママは手を着物に沿って動かしながら直していたのを思い出して真似てみた。
彼らと話していて、日焼けした肌と太い腕がよく見えた。お酒をすすめられたときは3口ほど飲んだりもした。当時はまったく美味しさはわからず、顔が赤くなるし太るし面倒な飲み物だと思っていた。
別に旅館の仕事はこういう男性たちにチヤホヤされたくてこの仕事を選んだわけではなかった。生活費と男性理解を深めるためだった。
同じ理由で他にもキャバクラとホテルのウェイトレスもかけもちしていた。雇う側としてはどれかに集中してほしかっただろうけど、わたしには環境が違うバイト先での男性の対応の違いがとても興味深かった。
わたしの見た目はあか抜けもせず、会話もろくに上手でなかったせいでキャバクラでは会話を無視されるほど男性に不人気。一方で旅館では男性から敬語を使われ褒めちぎられることばかりだった。
洋服では出来ないしぐさが和服ではけっこう多い。そのせいかはわからないけど、
この日も、「あゆみちゃんのうなじ、1番良いよ!」と何人かに囲まれてよく分からない褒め言葉をもらった(笑)
キャバクラではありえない。旅館の部屋はだいたい普通の蛍光灯なので、化粧も毛穴もけっこうバッチリみえてしまう。
(その日帰ってから自分で鏡で確認したけど、わたしのうなじは決して自慢できるものではなかった!毛がしっかり生えてたのだ)
それでも携帯電話を聞かれることも度々あった。女将さんからは番号やアドレス交換を禁止されてなかったので、ほとんど聞かれたら教えていた。男性の反応、メールの感じはやはりキャバクラよりとても丁寧な言葉づかいだった。
何となくの感覚なのだけれど、わたしの中身は同じなのに、こんなにも男性からの反応が違うのは旅館+和服+しぐさによるものだ。
こんなやり取りをしながらもやっぱり男性が怖かった。9才の頃に男性からされたトラウマが時々目の前の男性とかぶり、笑顔で話しながら時々吐き気がしていた。
わたしにとって男性は恐怖のイキモノ
例えるならゴキブリのような存在(失礼!)
今後生きるためには男性の気持ち悪いところをもっと理解しないといけないと思っていた!
そんな考えだったので、携帯電話を聞かれたら興味があるなしかかわらず、男性からデートを誘われると勉強のため、と思いながら誘いを受けていた。
そのときのわたしのルール。
デートは2回まで
それ以上会うと体の関係とか要求してきそうだから。
そして、
もし急に車の中で襲われても良い覚悟を常に持つこと。つまり死ぬ覚悟で行くこと。
襲われたら喉を狙ってなぐり、目をつぶす!手を抑えられたら下を噛み切る!(一生殺人の罪を負ってもらえたら)と。笑顔の下でとんでもないことを考えていた。
この日の宴会では3人から電話番号を聞かれた。
その中で1番の年上の山田さん(仮名)がよく話しかけてくれた。
彼の実家はイチゴをビニールハウスで育てていた。春になるとイチゴが食べても食べても無くならないほど実るという夢のような話をしてくれた。
あ〜お腹いっぱいイチゴが食べたい、と彼の話を聞きながら思ったら自然と笑顔になり緊張と恐怖が少しおさまった。
山田さんは話しながらビールをどんどん飲んでくれるので、わたしは姿勢を正し直して左手で右腕の着物のソデをよせ、右手で丁寧にビール瓶を持ちあげた。
美味しい泡になるよう丁寧にそそいだ。しぐさに集中すると、いい具合に出来た喜びで気持ちが安らぐ。
若い男性たちはやはり山田さんに気を使っているのか、積極的には来なかったが、輪になって集まってくれた。
宴会が終わり、わたしが山田さんにお礼メールのついでにキャバクラでも働いていると伝えると、彼は今度いくよ!と返信が着た。
車デートも一回した。何事もなく、仕事の話をしてくれたり、いつも通りのやさしい気づかいもしてくれた。日焼けした肌をクシャっとして目を細め、いい笑顔だった。
最寄りの駅まで車で送ってくれた。
そして後日、本当にすぐわたしの働くキャバクラに5人グループできてくれた。そのうちにメール交換をしてたメンバーがもう1人いた。
1番年上の山田さんはその日もやさしい口調だったけれど、でもある時後輩に怖い顔できつく叱るところを見てしまった。
仕事中はこの人厳しそうだな、この人が旦那さまになったら・・・と想像した。
新婚生活がなれてきて、お互い慣れてきたら同じように怒鳴られる自分が目に浮かんだ。
来てくれた5人の中で、1人まったく話さずこちらが話しかけても笑顔でハニカムだけで話さない36才の男性(松岡さん仮)がわたしには気になっていた。
まわりに聞かれないように「電話番号聞いてもいいんですよ?」と笑顔で彼に伝えると、こっそり紙に書いて渡してくれた。あとで自分自身を悪いやつだなと思った。
結局こうして4人もの男性と同時にメールをしはじめた。
- 姿勢を正す
- 立つ、座る動作もしぐさと意識する
- 指をそろえる
- 親指を中に折る
- 物はなるべく両手で持つ
- はじめのお辞儀の後は相手の顔をみる
- ひとつの動作を丁寧に意識する
続く
PS
わたしもまだまだしぐさは勉強中です。芸は一生磨くものですし。ただ、まったく今まで意識しなかったのと一時期頑張って意識したのとでは違うかなと。
PS
同時にとはいえ、昔からメールは得意な方ではなく短いメール1通に1時間も考えてしまう方だったので、1日1人1メールするかしないかの頻度でした。
※今は彼らを振り回してしまって申し訳ないと思っていますし、よく知らない男性の車に乗ることは危険なことです。ただ彼らは確かにデート中も紳士的に大切にしてくれたし、少なくてもわたしの前で悪い人ではありませんでした。
※この出来ごとはわたしの今後の男性をみる目の参考になり、彼らとの出会いに感謝しています。
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