【4話】結婚前提で付き合っていた彼にフラれた!?

プロフィール4話トップ画像_失恋してビルの上で落ち込む女性

仕事中に一目惚れ

野球のバットを振る男性の写真。

会社のレクレーションで上司たちと野球観戦へ会社帰りにでかけた。
席を確保してから、
「散策してきます」
と言って、
食券売り場をブラブラして時間を潰した。

 

売り場前の手すりから野球場を見おろす。
芝生がみたことないほど青く輝いている。

アユミ
テレビの中に入ったみたい

プロ野球選手らしい人がボールを投げて、
選手が打つ。

ものすごい歓声があがった。

 

 

観客席の上司たちの様子はどうかな?
上司はビールを飲みながら
狭い席に部長にはさまれて楽しそうに話している。

アユミ
あの席に座って何を話せばいいのかな。

なかなか足が向かない。

私も会社の人たちとこんな立派なところに来るようになったなあ。
現実逃避の考え事をしはじめる(笑)

 

 
学生時代だったら、断ってたな。
少し成長して大人になったかも。

 

 

そろそろ私も結婚本気で考えないと。
おじいちゃんもおばあちゃんも80歳をこえてる。
ひ孫を抱っこしたら喜ぶだろうな。

 

 

ぼーっと考えていると。

突然、背の高いスーツの男性(夫)が話かけてきた。

 

夫「野球面白いですよね」

 

私「そうですね・・・。
・・・。
ホントは全然わからないんです。
会社の付き合いできたんです^^;」

 

夫「ぼくもです」

あ、そうなんだ(笑)

 

 

あとで夫に聞くと、
売店の店員と話す姿が社長秘書みたいなきれいな人がいると思って声をかけたそう。いままでこんな表現で外見を褒められたことがなくて、正直に嬉しかった(笑)

あとでわかったのだけれど、彼が仕事上でいくつかの企業の社長秘書とやりとりしていた経験があるので似た雰囲気だったらしい。

 

 

のんびりと話す人だな。
話をする彼の横顔を気づかれないようにみた。

 
彼は目線を下におろして野球場をみながら話す。

「選手は野球上手だね」


自分はどうして野球観戦しにきたのか、あたり触りない話をしてくれた

 
自慢話はしない人らしい

目をみて相手の気持ちをじっと観察しながら会話を選ぶタイプでもなかった


全体の雰囲気から、
飾らない人だなと感じた。

 

彼の着ているスーツは細めのシワもヨレもない綺麗なスーツ。

ハデという意味じゃなくて
スーツにクタクタ感がまったくない。
全身新品オーダーでそろえたんですか?っていう感じ

白いワイシャツも新品のよう。

席にもどろうとすると
名刺をもらった。

 

 

アユミ「私は名刺もってないんですよ。事務職なんで」

と去ろうとすると、

メールアドレスを聞かれた。
最近うちの部署が取引してる会社だ。

 

失礼な態度をとってはいけないな。


どう断ろうか…
それにしても、
こんな短い時間でも
男性と普通に話せたことが嬉しい。

 

 

大学時代に、ホテルのバイトの同僚の男性にアドレスを聞かれて興味がないのにデートに誘われたことがあったことを思い出した。
メールが何度も来て、
断る気力もなくなって、
アドレスを教えなければと後悔したことを思い出した。

それからは、
メールアドレスを長く複雑なアドレスにするという対策をしていた。
はっきり断れたらいいけれど、
勇気もないし、嘘をつくのが苦手。

 

私「ごめんなさい。アドレスが複雑で。
あんまり使ってないし、
口頭じゃまちがえるし・・・
入力が大変ですよ。」

 

断ったつもりだった。

 

ところが彼は口もとに少し笑みを浮かべ

彼「じゃ、電話番号で。ショートメールできるよ?」

 

ゆっくりと話していた彼が、
急にスマホを持ち上げ、さあどうぞ、とわたしの番号を聞く大勢にした。

 

・・・。
名刺ももらったし、変な人じゃなさそう。

(実はそれまでバイト先でも男性に名刺を何度かもらった事があるのだが、遊び目的のような男性とくらべて彼の目には明らかな好意を感じた)

 

つい、電話番号を教えてしまった。

 

 

食事だけならいいかな。
変な人ならしっかり断ろう。

 

簡単なメールをすると、夕食どうですか?という返信がきて1週間後に、小料理屋で食事をすることになった。

 
約束の日、会社帰りに南北線に乗り、白金台駅の階段を上がりながると出口から生あたたかい空気が吹いてきて、空をみあげた。まだ少し日の光が残って群青色の空だった。

彼が階段を上がった先でスーツ姿で立っていた。私と目が合うと微笑んだ。

「ここから歩いて5分くらいのお店なんだ」

緊張で話題に悩みながら彼の横を歩いて、
やっと質問したのは「今日の仕事が早く終わったんですか?」だった

低いオフィスビルやマンションに囲まれた間に、小綺麗な和服ののれんと立派な一枚板の看板がみえた。

お店の中に入ると、人が横並びに入るスペースだけの長いカウンターがあり、1番奥の席に座った。

白い帽子をかぶり、白い服をきた四十代の男性と彼が挨拶をした。

食事はダシの風味が優しく感じるの和食。焼きなすを鰹だしに浸し、糸昆布が上品にかかっている。

「いただきます」

店主がお椀の上でゆずの皮を小さな専用すり機で入れるのをみながら、彼の趣味を聞いた。

少し考えてから、本をたくさん読んでると、読書家らしい。

どんなジャンルかと聞くと、特にないけど色々。
私が時代小説が好きだというと、
彼は おすすめの小説(浅田次郎の「壬生義士伝 )」を教えてくれた。

 

その日、覚えてたのはそのくらい。

後日、書店で探して買って読んでみた。

 
感動的に面白かった!

 
ラストシーンは部屋で読みながら
一人で泣いた。

 

これは彼と気が合うかもしれない!

あんな少しの会話で、
わたしの好みを理解してくれたのか、
気が合うのか、どっちかわからなかったけど、
とにかくと感動したのだ。

 

 

その後、何度か食事をして。
彼から告白された。

メールで断った(笑)

 
すると翌日会社まで来てくれた。

 

ちょっと悩んでしまった。
男性とそろそろ向き合わないとなと思ってた時期で、結婚へのあせりもあった。

 

冷静に判断しなくては。

結婚に前提に親に会わせてみた。

 

そして、

半年付き合ってみることにした。

 

 

ところが半年後。
彼からふられてしまったのだ!

 

 

理由、

「勉強のできる子と結婚したかったから」

アユミ
・・・!

 

 

見た目がいくら好みでも、

コミュ障の会話では満足できなかったらしい。

 

 

愛人になる決心

アルツハイマーになったおばあちゃんに電話で報告した。

 
「おばあちゃん、私、ウェディングドレス見せられない。
好きな人と結婚できなかった」

 

 

すると、いつも優しいおばあちゃんが、またわたしにはげましてくれた。

 

「あんたが楽しい人生だったら、おばあちゃん幸せだよ」

 


楽しい人生。
彼と結婚できなくても、もう少し一緒にいたい


無理も承知で夫に電話してみた。

 

私「結婚できなくてもいいので付き合いませんか?」

夫「結婚しないよ?いいけど」

あっさりOKがでた。

自分磨き

結婚できないと言うれど、

どんなに忙しくても徹夜明けでも

会ってくれる。

彼がとてもやさしい人に思えた。

 

 

このまま愛人でもいいや

 

 

でも、彼に結婚したくない女性だと思われてると思うと、ものすごく価値のない女性だと思えてきた。

愛される女性になりたい

嫌な自分に我慢し続ける生活は嫌だ!

 

 

これまでの自分に嫌気がさして、自分磨きをしてみることにした。

 

 

女子アナの魅力を探る

彼が好きな芸能人を聞いた。

 

 

 

大江アナ。

 

 

 

TVをまったく見ないので名前も知らなった。

YouTubeで検索してみた。

日曜の経済番組、企業へのインタビューもできる。

品が良く、飾らない性格で、熟年男性の心を鷲づかみにしてるようだ。

 

 

 

お笑い芸人のサマーズが大江アナと街を歩いて散歩する「モヤモヤさまぁ~ず」は、とても高視聴率で男性ファンも多いらしい。

サマーズの二人が大江アナの困った顔がみたくてバナナ食べてみて?といってイジる。

 

困りながらも笑顔で品よくバナナを食べる大江アナ。

 

歯にのりがついても、笑う姿がかわいい。

 

アユミ
あ~・・・無理。とても同じことをされて笑ってられない

動画をみながら胸が痛かった。
みたくない。

たとえ冗談でも、
女性の困った顔を楽しむような会話なんて楽しめない。
こんなことを男性からされたら吐き気がする・・・。

 

 

 

大江アナみたいな話し方になって
彼を喜んでもらったら、私はうれしいかな?

 

 

大江アナに似てるからだよね?

真似する意味ある?

 

 

考えても答えはでない。

とにかく、 

自分を変えたい。

 

それだけに集中しよう。

 

 

それから、
彼女の表情、挨拶程度の短かい話し方を鏡を見ながら練習した。

「こんにちは」

「そうですね」

 

そのうち、女子アナのような話し方というのにも興味が出てきて、他のアナウンサーの話し方もみるようになった。

 

色っぽい声

振り向くピンクの服を来た女性の写真。

ネットで女子アナ養成講座を調べてみた。
日経ラジオでナレーションの無料体験というのみつけた。

 

会社帰りに行ってみよう。

 

茶色い学校のような立派な門を通って、オフィスで待っていると、私を抜かすと体験者2人。

しばらく待つと、40過ぎのかっぷくの良い男性が入ってきた。

 

 

かっぷくの良い 男性「体験に来てくれてどうもありがとう。簡単な自己紹介をどうぞ」

一人はウグイス嬢で有名な政治家の担当だった。

もう一人は声優。

アユミ
場違いなところに来たかも

 

引き返せないまま、

次に案内されたのは薄暗い個部屋へ。

かっぷくの良い 男性は、ナレーションクラスの若い長身のイケメンさんをしたがえて、いきなりナレーション練習資料を渡してきた。

「2回ほど練習して本番だよ。

緊張せずリラックスしていいよ。

頑張って。」

 

 

緊張するよ!

どうしようかと思う間もないほどすぐに、

ウグイス嬢さんは、ものすごい勢いで台本に区切り線や記号を書き始めた。

声優さんも気づくと漢字の読みを書いて、練習していた。

 

やるしかない!

 

二人を真似しながら練習して。

半分パニックになりながら本番へ。

 

 

二人ともとてもさすがだなあ!

なめらかにマイクに向かって話す。

私は、たったA4用紙半分の台本を話すだけなのに数回止まった。
息を吸うところもメモしたのに出来なかった。
話し終わる頃には息が荒かった。

 

 

静かに呼吸を整えながら、部屋を出た。

 

 

わたし何やってるんだろ(笑)

隣の録音機器がたくさん置いてある部屋に入ると、
かっぷくの良い 男性は、ナレーションクラスの若い長身のイケメンさんに指示をだしながら、かんたんなフィードバックをしてくれた。

 

 

かっぷくの良い 男性「台本の言葉には正しいイントネーションがあるんだ。」
そう言って、正しいイントネーションと区切り方でわたしたちに読んでくれた。
 

アユミ
同じ文章なのに、意味まで違うように感じる!

かっぷくの良い男性「それからね。人それぞれ魅力的に感じる「色気のある声」があるんだよ。

君はマイクが拾いやすい声をしてる。

ほら、メーターがここまで来てるでしょ?

普通はここ。(メーターを指す)

でも、身長から考えるともっと低い声だね。」

 

3人録音した声をメーターをみてみると、
私が一番よく動いていた。
合唱コンクールで自分の声が聞こえたこともなかったのに。
褒められた気がして嬉しかった。
思わず、ナレーションに向いてるかもと思って
講座に申し込もうかと思ってしまった(笑)

※マイクが拾いやすい声=通る声とは違うと思うけど、当時わたしはそう解釈した。
※後でネットで調べると、 マイクが拾いやすい声というのは息の量も影響するらしく、緊張していた私の話し方がたまたま良かったのかもしれない。

 

 

このことがきっかけで
少し自分の声に自信が出来た。

後日、録音したCDと丁寧な手書きの手紙とナレーション養成講座の案内が届いた。

40万!?

高すぎる。

そもそもナレーター志望じゃないのでお断りした。

 

 

ナレーション養成講座の体験がおわってからは
街を歩きながらや電車に乗っているとき、デパートやCMのナレーションに耳をすませるようになった。

 

 

気に入った声はスマホに録音して、通勤中に聞きながら一人の時は真似た。

 

色気のある声ってなんだろう?

秘書検定1級で対人スキルアップ

職場ではミスが多かった。

人の話を聞いて、整理して、自分の意見をいう。
聞くだけで精一杯。
聞きながら頭が真っ白になることが多かった。
結局やることを理解していなかったし、
落ち着いて仕事に集中も出来ていなかった。

 

 

元役員秘書の帰国子女の先輩からは「あの子ばか!死ね」(彼女の口癖)とまで言われる始末(笑)

 

 

仕事に行くのが怖くなった。

職場のいごこちが苦しくなり、休む日もあった。何度も仕事をやめようと考えたが、家族のこともあるから辞めるわけにはいかない。

 

特技もなく高学歴でないわたしがひとりで今後老後まで生活するにはいまの会社で働くしかない。

当日のわたしはそう考えていた。

子どもをかかえて身寄りのないシングルマザーが生活をするには、昼も夜もなく働くか、体を売るしかない世の中だ。

旅館で体を触られながら平気な顔をして働くのに比べればましな職場だ。

 
やれることをしよう。

 

仕事に役立つ資格でスキルアップしてみよう。
書店の資格コーナーに行ってみた。

 

秘書検定と言うのが目に止まった。
パラパラとテキストを読むと、
怒りやすい上司の対応や、
スケジュール管理が難しい時の対応。
電話応対で相手に合わせた対応の
いろんなパターンが書いてあった。

どれも私が悩んでいることだった!
これだー!

さっそく勉強することにした。
勉強のモチベーションのために、試験を受けることにした。
わたしの仕事は事務職。
秘書じゃないから受からなくてもいい。

準1級。
3カ月ほどで筆記と実際の面接試験に合格。
合格率は40%

勉強は楽しかった。

さらに上の1級を目指すことにした。
面接のレベルがめちゃくちゃ難しいらしい。

 

 

合格率は30%。
とくに面接が難関。
出来るだけではなくて、こなれた感が必要。
1回目の試験では見事に失格!

自信があったお辞儀も注意された。
また、こなれた感がないとも指摘された。

 

 

試験対策DVDを買って、
壁に何枚もセリフを書いて1日1時間以上、練習し続けた。

最初は30秒話すだけで喉が痛かったのに、
声の出し方を変えたら続けられるようになった。

そのうち、
ナレーション養成講座で教しえてもたらった「色気のある声」とはこれかな?
というのが、なんとなくつかめてきた。

そして2回目。
無事に合格。

秘書検定の証明写真。

会社では秘書部でも準1級までしか取らないので、
会社に報告すると上司もびっくり。
電話応対や上司の報告、
仕事のやり取りに見違えるように上手くなった。

仕事のミス地獄からプログラミングで救われる

とはいえ、相変わらず仕事のミスがあまりにも多かった(笑)
そこで、EXCELに自動計算してもらうことにした。

もともとパソコンは嫌いではなかったので、
2ヶ月も独学でやってみると、
EXCELのプログラミング言語を覚えてVBAでツールが作れるようになった。
ウェブデータを取得してEXCELに落とし込んだりするツールを作った。

 

 

5人分の1日の仕事が、
ミスもなく、ボタンをポチッと押すだけで10分で終わった。

他にも先輩や同僚からツール依頼がくるようになり、
もう一つ言語も覚えて、
100人の部署でプログラミング出来る3人のうち1人になった。

 

ほんの数カ月の変化だった。
もうバカ呼ばわりされなくなっていた。
「特殊能力」と言われたりするようにもなった。 

人を好きになる

彼は私によくアドバイスをくれた。

「人に話しかけてみたら?もっと人が好きになるよ。」

 

 

そうかな?と思いながらも、やってみるしかない。

職場で実践してみることにした。

「髪を切ったんですね」

「それ、やりますよ」

「美味しいですね」

少しづつ気軽に話しかけてくれたり、

私にお願いしてくれる人が増えてきた。

雑談しながら仕事をするのは本当に難しかった。

仕事ははかどらないけれど、緊張はやわらいだ。

 

 

話す回数が増えるにつれて、

だんだん、人が怖くなくなってきた。
それだけじゃなく、
相手の良いところもみえてきた。

「厳しいけど、仕事熱心なんだな」

「女好きだけど、話して笑ってほしいだけなんだな」

「注意してくれているのは、私が仕事を覚えるように教えてくれてるんだ」

 

 

居心地の悪かった職場が、
とても楽になっていた。

 

また、彼は一緒に食事をすると店員にも良く声をかけていた。

「これはどうやって食べるの?」

「おすすめは?」

「珍しいですね。どうやって仕入れたんですか?」

地理に詳しくて、
お店の人と出身地の話もよくしていた。

彼(夫)「地理の話しはあたり触りないなく、地元の話は知らないこともわかって楽しいよ」

 

そんな楽しみ方もあるのか。

アユミ
地理が苦手なんだけど


彼(夫)は、ぜひ覚えてくれ。と強くすすめる。
仕方なく、スマホのアプリゲームを使って、
日本の都道府県47個を隙間時間に1日15分ほどやってみた。
一週間で位置まで覚えた。

 

すると、今まで駅などの通路で目に止まらなかった旅行広告や、物産展の店に目がとまるようになった。
会社近くの有楽町駅周辺には全国の物産展が多く、 ランチタイムにはよく歩いて中を見て回った。

 

 

知らなかった特産物をいくつか覚えることもできた。
何より全国のおすすめの食べ物が安くて美味しい。

 

 

楽しめることがまたひとつ、増えた。

 

 

そんなことをしている間に、わたしは彼に結婚できないと2回もフラれた。
結婚できないと言われてこちらからお願いして付き合ったので、渋々了解して別れた。
なのに、なぜだか数日後に彼からまた付き合おうと言われた。

 

 

彼とは他の人に目を向けた方が良いかもしれない。
そう思いながらも、
仕事で悩む姿をみるとほっておけなかった。

新米おにぎり

おにぎりをにぎる手の写真。

彼が上司に嫌われてしまったらしい。
こういう時に言葉で元気づけられたら良いのに。

やっと、彼の目を見れるようになったばかり。
何を言ったら良いのかわからなかった。

 

 

元気を出してもらおうと、
彼の家におにぎりを届けてみることにした。
小さいころ、
米屋のおばあちゃんが握ってくれた
おにぎりがとても美味しかった。
食べると元気がでた。

 

 

父から無農薬の新米が届いたばかり。
丁寧に米が壊れないように優しく洗って、
時間をおいて軟水で炊いた。

 

炊飯器を開けると、
新米のできたての香りがする。
大好きな香りだ。

 

 

つぶれないように握って、
物産展で手に入れたお気に入りの海苔を別にそえて。
一言メモと一緒に彼の家の玄関に置いた。

 

食べた時もあったし、
食べなかったときもあった。

 

 

私はこの人がほんとに好きなんだな。

私がこんなに変われたのは彼のおかげだ。

 

 

 

そんなある日、おばが白血病から治ったのでお見舞いに九州へ帰ることになった。

 

5話(最終話)へつづく

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